「ゴーレム効果」と「ホーソン効果」、そして「ピグマリオン効果」
江東区北砂 個別指導学院TOCO西大島校 石戸です。(vol.61)
かつてサーカスというものがありました。人間や動物が曲芸をするショーです。
そのサーカスの中に、生まれたばかりの仔象がいたといいます。その仔象は、やがて大きくなりました。とてつもない力を持つようになりました。しかし、そんな怪力の象であってもできないことがあるのです。足にはめられた鎖を引きちぎることです。
本来はできるはずなのに、小さな小さなうちから足に鎖を付けられていたため、できないものと思い込んでいるうちに、成長しきったあとからも、本来の力が出せなくなってしまうということのようです。これを「ゴーレム効果」と呼ぶと聞いたことがあります。
小さな虫であるノミもそうです。瓶の中に閉じ込めているうちに、やがてジャンプ力も低くなるという実験です。幼いうちに「どうせダメだ」と思い込ませることで、成績やパフォーマンスが低下する現象のことです。
逆に、評価者からの「注目や関心」が向けられること自体によって、生産性や意欲が向上する現象です。皆さんも、会社などでも経験があるかもしれません。そいうった現象のことを「ホーソン効果」と呼んでいるのだそうです。
さて、その「ホーソン効果」に似た言葉(似た現象)に「ピグマリオン効果」というものもあります。他者から期待を受けることで、学習や仕事などの成果が向上する心理的現象です。「教師期待効果」や「ローゼンタール効果」とも呼ばれています。
アメリカの心理学者ロバート・ローゼンタールが1963年~1964年に小学校で行った実験が有名です。ランダムに選んだ生徒のリストを「今後成績が伸びる生徒」と偽って教師に伝えたところ、数か月後にその生徒たちの成績が実際に大きく向上したという事実です。
これは、教師の期待が無意識の態度や接し方に現れ、生徒のやる気を引き出したとされています。(私たちの身近には、「プラセボ効果(偽薬効果)」というエピソードもありますよね。
会社でも、上司が部下に「君ならできる」と期待を言葉で伝え、適切な権限(裁量)を与えることで、部下のモチベーションや自主性が高まり、業績が向上します。
私は、教師時代(担任時代)に、人を使って実験はできませんから、植物を使って実験をしたことがあります。 クラスの児童たちにも協力をしてもらって。 それは、次のような実験でした。教室の後ろのロッカーの上に鉢植えの花を両端に離しておきました。 日光に当てる時間や水やりの量も空気も同じです。 ただ1つ、条件を変えたのは、片方にだけは、小さな声で「可愛く咲いてね」「素敵だよ」「君は偉いね」「大きくなるのを楽しみに待ってるよ」と期待を込めて囁くのです。 また、一方の鉢植えの花には、「育たなくていいよ」「期待してないよ」「綺麗な花じゃなくてよいからね」などと、ひどい言葉を浴びせるのです。激励の花の方には聞こえないよう。 もちろん、ひどい言葉を囁く花の方にも期待の言葉をきかせないようにして。 すると、どうでしょう。結果は歴然でした。 私としては、立てた仮説のもとに予測していた通りの結果でしたが、もっと数多くの花で、また季節ごとに実施し、検証していかなくてはならなかったわけですが、子どもたちもよく協力してくれたおかげで、本当に声掛けの内容の効果が明確になったことに驚きもし、感激もしてくれていました。
それは、いじめ防止などへ結びつける道徳的な試みではあったものの、生命があるものには、すべて共通する部分なのかもしれません。
私たちは、目の前の子どもに対し、「ゴーレム効果」を選ぶでしょうか、それとも「ホーソン効果」や「ピグマリオン効果」でしょうか。
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