人間はどうやって「人間」になるのか②
江東区・北砂 個別指導学院TOCO西大島校 石戸です。(Vol.65)
前回、「人間の体は何でできているのか」を考えてきました。
今回は、分子(物質)のレベルで見てみましょう。
人間の体の中で一番多いものは「水(H2O)」です。
体重60㌔の人は、約40㌔が水分であり、実に体重の約3分の2をしめています。
体の中に実に多くの水分をもっているーーこのことは、地上のすべての生物に共通しています。なぜ、そうなのかというと、地球上の生物が海の中で生まれたためなのです。海で生まれた生命は、海を離れては生きていけないので、自分の体の中に“海”をもって生まれてきているーーといえます。
そのことは、人間をはじめ、地球上のすべての生物の体内の水分――体液を分析してみると、その成分は海水とほとんど同じだということからも、うかがい知ることができます。
赤ちゃんができると、母親の子宮には羊水という水がたまり、その中で赤ちゃんは成長するのですが、これはおなかの中の海で育っていることになります。受胎後2週間目ぐらいの赤ちゃんは、まだ2,3㍉の大きさですが、そのころにはエラがついているのです。
単細胞から魚のようになり、サルのようになって生まれてくる、というように、何十億年かかって人間が進化してきたことをおなかの中の海で約10か月でやってくるといえます。
さて、地球が誕生したのは今から約45億年ぐらい前といわれていますが、それから生命が誕生するまで十数億年かかった、と考えられています。
はじめのころ、地球をとりまく大気はメタン、エタン、アンモニア、硫化水素が主体で、ちょうど毒ガスのようなものだったのです。そうした大気中の簡単な分子が、太陽の紫外線、火山の熱、雷の放電、隕石の衝突など様々なエネルギーによってぶつかりあい、化学反応を起こして、多少複雑な有機物質になり、それが海の中にたまって、スープのようになり、ポッチャンポッチャンと海の中でぶつかりあい、十数億年の間にだんだん複雑になって、やがてアミノ酸が生まれ、タンパク質になりました。そのタンパク質の1つが、ある日ついに声明を持って動き出したーーと考えられています。
そのようにして海の中で生まれた最初の生命が、その後さまざまに分かれ、進化したものが、この地球上のすべての生物であるといわれています。ですから、この地球上の生命は全部、最初の生命の子孫であり、親戚であるといえます。そのために、地球に住む131万種といわれる無数の生物の基本的な構造はすべて共通しているのです。
このように生命と物質は連続していて区分することはできませんし、また生命も物質でできています。
そして、簡単な物質がしだいに複雑になり、そして声明をもって動き出したということは、物質の中にも生命となる性質と力がそなわっていて、それが一定の環境や条件によって引き出された、と考えられます。
どんな小さな生命でも、自分の力で生きるためのエネルギーを吸収しながら、見事な創造をしてきたのです。
その生きるために必要な知恵と力は、生命の奥深くに、もともとそなわっているとしか考えられません。生命というものは、外から力をもらって生きているのではなく、もともともっている力を発揮して生きているのです。
人間ということを考えていったときに、この生命の問題に行きつかざるを得ませんから、こうした話になってしまいましたが、次回は、「遺伝という“命の設計図”」に迫ってみたいと考えています。
それは、人間という生物が、機械に支配され、翻弄されるような種ではない、ということを言いたいがための試みです。
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